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不登校でゲームバカほど将来性あり【Z世代トレンド】

今回は、不登校でゲームバカほど将来性あり【Z世代トレンド】について解説していきます。

「ゲームばかりやっていたらバカになる」「ゲーム中毒になると生活習慣は乱れるし、勉強はやらなくなるし、ますます学校に行かなくなる」に決まっているから、将来性があるわけないだろうと批判されるかもしれません。

1年半前から不登校になった自分の息子の経験談も含めて、不登校初期の親の接し方やゲームバカについて解説していきます。

【目次】

1.不登校初期の「休ませる期間」での親の接し方

2.ゲーム依存は病気?

3.ゲームバカほど将来性あり

1.不登校初期の「休ませる期間」での親の接し方

前回「子供が不登校になった親が最初にやるべきこと」では親御さんが身につけるべきマインドやNG行動について解説しました。

子供が不登校から回復するまでには、

①不登校となった最初の3ヵ月~12ヵ月の元気になるまで「休ませる期間」

②元気が出てきて外出や友だちとの交遊ができ限定登校が試せる「回復期間」

③問題なく登校できたり転校したり自分の居場所を見つける「自立期間」

の3段階に分かれます。

不登校初期の「休ませる期間」では、不登校となったお子さんの心の状態は元気やエネルギーがなく、外出を嫌い家に引きこもることが多く、会話が少なく自分の殻に閉じこもりがちなケースが多いです。

この期間は、お子さんのエネルギーが回復するまで十分に休ませることが大切です。

自分の息子の経験談についてお話しします。1年半前の小学6年後期から不登校になった息子は、当日朝に起きられない、起きても身体が動かない、頭が痛いなどの理由で学校に行けない日々が続きました。

休みの日に家族で予定していた外出計画も当日「行かない、ムリ」とドタキャンが続き、朝から晩までゲームしかやらない状態でゲーム時間が8時間を超えていたので注意したり決めたルールに基づき数日没収したりしていました。

ゲームを没収されていた期間には家中をくまなく探したり、母親に当たり散らしたりものを壊したりして、会話が減り自分の部屋に閉じこもってばかりでした。

私が話しかけてもにらみつけるような目で「ムリ」としか言わず、一人タブレットでYouTubeを観ているかゲームしているかのどちらかで、「忙しい、ムリ」が口癖でした。

1ヶ月以上一度も外出せず、勉強は一切せず、買い物など手伝いも一切せずの状態でしたが、起床・就寝の生活習慣だけは何とか維持することができました。

母親が紹介された心理カウンセラーの助言を受けて、今はとにかく心を休ませる期間だから息子が親に話しかけやすい環境を作ることを心がけ、息子の気になる行動や言動を記録するようにしました。

父親である私が行なったのは、息子に毎日アニメのクイズなどLINEメールを送ったこと、息子がいつも観ているYouTuberについて質問したり、家族で一緒にマインクラフトやマリオパーティなどゲームを行なったりしたことです。

9ヵ月位経った頃、かなり元気になり家の手伝いや料理をするなど新しいことができるようになりようやく回復期間に移行したのです。

不登校初期の「休ませる期間」には、

1)可能な限り生活習慣を維持すること

2)子供の好きなことや興味あることに親も関心を持ってゲームなど一緒にやる・共同作業をすること

3)子供の気持ちに120%寄り添って、日常の何げないことなど子供の意見を受け身で聞くこと

4)スキンシップをすること

以上4つを行なうことをお勧めします。



2.ゲーム依存は病気?

不登校生に限らず、ゲームばかりやっている子に対する世間のイメージは否定的なものが多い。

まるでゲームの対義語は勉強で、「ゲームばかりして宿題をやらない、学校に行かない」といったゲームが諸悪の根源みたいな見方をされる。

ゲームはあくまで間接的な理由で、実際はゲームをする子供本人の自己管理の問題です。

2020年4月に香川県でゲーム規制条例が施行され、18歳未満の未成年はゲームは平日1日60分までと制限の目安が設けられたことがかなり波紋を呼んだのは記憶に新しい。

特に罰則はないが、親が子供のゲーム使用を禁止する根拠を与えてしまったように感じます。

WHOが2019年5月に、オンラインゲームやスマホゲームのやりすぎで日常生活が困難になっている人たちを依存症と見なし、新疾病として認定したのが背景にあります。

ゲーム依存は病気なのだろうか?自分の好きなことや遊びに没頭することが仕事になっていくこれからのAI時代に遊びを制限するような条例を出すことは、時代に逆行しています。

依存=悪いことと見られていますが、やり過ぎることが良くないのであれば、ランニングが大好きで走りすぎでヒザを壊してしまう人や、毎日10時間以上スマホを観るZ世代の26%もの若者のスマホ依存も、すべて依存症=病気として認定されるのだろうか?

「将来の夢なんか、いま叶えろ。」の中で堀江貴文氏は次のように言っている。

将来の夢なんか、いま叶えろ。 -堀江式・実践型教育革命- | 堀江貴文 |本 | 通販 | Amazon

「そもそも一芸に秀でるとは、少なからず普通の生活に支障をきたすものだ。~好きなこと、やりたいことが、これからは仕事になっていく。~テクノロジーが進化してやがて大きく稼げる分野に成長する可能性は、何にでもある。「やりすぎ」を病気に押しこめて禁止するのは、時代錯誤もはなはだしい。」

ゲームばかりやっている子には2種類あります。1つ目は、ゲームがとにかく好きでオンラインゲームを通じて友だちや親との交流を持ち、ひたすらゲームをやり続けているゲームバカのタイプ。

2つ目は、他にすることがなく自分と向き合いたくない理由で、たいして熱中できないゲームに逃げているタイプ。

もし前者のタイプなら、ゲームに本気でのめり込むことで、ゲームプログラマーやプロゲームプレイヤー、あるいはゲームの楽しさを教えるYouTuberやゲームの要素を他のビジネスに応用するゲーミフィケーションスキルなど将来の可能性は無数にあります。

今後5年間で50%以上成長する、メタバースの大本命であるゲーム市場や、eスポーツ市場では、AI時代でも仕事が減るどころか拡大していくことが予想されます。

もし後者の逃げているタイプなら、早めに自分が本当に好きなことややりたいことを見つけてそれにのめり込んだ方がいい。

単なる暇つぶしでだらだらとやり続けるのは逃げているだけで時間のムダです。

ただし、不登校の子供が学校に行けない苦しさからYouTubeと同様にゲームに逃げているのは、エネルギーを取り戻すための「休ませる期間」などには大切なことであり、心のケガから回復することを優先した方がいいといえます。

3.ゲームバカほど将来性あり

昭和や平成世代の親からすると、自分が子供だった頃のゲームに対するイメージが固定観念としてあります。

ゲームばかりやっていると、勉強が手につかないとか、学校を休みたくなるといったネガティブな考えを持ってしまいがちです。

これからのAI時代の天才は、今までの天才イメージであった記憶力、情報処理力など過去の情報を活用する能力が高い人ではなくて、創造力、遊ぶ力など人と異なる未知なる未来を創出する人たちです。

「これからの子供の65%は将来、今はない仕事に就く」と米デューク大教授が唱えていますが、これからは「遊び」と「仕事や勉強」の間に境界線がない時代になります。

自分の興味があること、熱中できることが遊びで、遊び狂うことがいずれ仕事になる時代です。

こうしたこれからの時代背景を認識したうえで、昭和や平成の価値観ではなく、Z世代以降の価値観で考えた場合に、「ゲームをやるとバカになる」という考え方は間違った認識だと思います。

今のZ世代(12才~27才)のゲームの主流はオンラインゲームで、中でも世界的に大人気のマルチプレイゲーム、フォートナイトは2018年から爆発的な人気を博しています。

世界中の子供たちや大人がハマる理由の一つは、リアルの友だちを含めた周りの友だち・仲間がみんなハマっているため、友だちとネット上ですぐにつながり、会話ができ、一緒にインタラクティブにマルチプレイできる点です。

バトルロイヤルの戦いだけでなく、防御のための建築=クラフトを行ったり、スキン=キャラの見た目や特典=アイテムの追加で他のプレイヤーと差別化したり、3ヵ月のシーズンごとに新要素や新プレイフィールドの追加があるため、一度ハマるとやめられなくなる点は考え物です。

「ゲームは人生の役に立つ。」の中で小幡和輝氏は次のように言っている。「ゲームは世界の「共通言語」になっていて、こんなふうにオンラインで世界中の人とつながることができるというおもしろさがある。」

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今の子供や若者世代にとって、ポケモンGOやフォートナイト、マインクラフト、集まれ動物の森などゲームは共通言語、たしなみの一つであり、昭和・平成の親御さん世代におけるテレビドラマやアイドルのような存在価値があります。

小幡氏は、ゲームは心のオアシスで不登校の子にとっては貴重なコミュニケーションの場と言っています。

小・中学等10年間不登校だった同氏は3万時間をゲームに費やしたが、ゲームをてこに現実世界で友だちを作っていた、すなわちゲームは他者とのコミュニケーションツールです。

ゲームを通して、生きることをいかに面白くするか=遊びの本質をとらえ、非言語的情報であるデジタルのゲームで友だちと一緒に遊ぶことで感性を磨くことは大切です。

スマホやPC、VRを通してオンラインのバーチャル空間が「若者の居場所」になってきているZ世代の問題は、メンタルヘルス、孤独などです。

Z世代の1日のスマホ使用時間は10時間以上が26%、5時間以上10時間未満が29%を占めるという長期間のスマホ利用が問題視されているが、SNS依存は自己肯定感や自尊心、身体イメージや自信に悪影響を及ぼしています。

実にZ世代の42%は、SNSによる他者からの評価(いいねやコメントの数)に強く影響を受けています。

文章より、絵文字やGIF画像、アバター、ショート動画といったデジタルな表現の方がZ世代は安心するのは、他者からの評価に比重を置いている証拠ともいえます。

ゲームプラットフォームやSNSなどに常時接続の現実世界で、常に誰かと誰かの「つながり」が見えれば見えるほど、「自分はつながっていない」ことも同時に可視化されてしまったり、メッセージが未読無視されたり、ブロックやゴースティングされたりすることで、より一層疎外感や孤独を感じてしまいます。

コロナで普通に学校に行って友人と会えなくなってしまったこと、外出自粛など外に出る機会が減ったこと、友人からの紹介で新しく人と出会う機会もなくなり閉塞感が高まってしまいます。

コロナ禍でのZ世代に欠かせないのは、リアルの友だちを含めた周囲の友だち・仲間とネット上ですぐにつながり、会話ができ、一緒にマルチプレイできるゲーム空間や、TikTokやインスタグラム、音声アプリを通して画像、動画、歌などを友だちと共有しあうSNSです。

とりわけ不登校で心が回復していない子供にとっては、ゲームやスマホ・タブレットなどSNS使用媒体を没収されることは、昭和世代の子供がテレビ・ラジオ・電話を没収される以上の大きな喪失感を与えることになります。

Z世代は「忙しい」が口癖で、動画は早送り・スキップが当たり前で、メッセージやブログを検索する際もスクロールで斜め読みします。

自分が共感するたくさんの人・もの・コトとつながっていたいため、googleが選んでくれる好みのゲーム攻略などYouTube動画、TikTok、インスタ画像など日々どんどん増えていく共感ネタを必死にチェースしていくデジタル狩人のような存在なのかもしれません。

また、お子さんが不登校になった初期の段階でどのように接していくべきかに関しては、詳しくは 「【重要】子供が不登校になった親が最初にやるべきこと」に解説しているので、そちらをご覧下さい。

このブログが少しでもあなたに気づきを与えられ、お役に立てたなら幸いです。



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